箕輪初心:生方▲『群馬県立自然史博物館』10-6「博物館の展示工夫と課題」

令和元年(2019)7月12日~8月31日の期間に10回行くこ
とにした。
常設展示案内フロア図では常設展は「導入」、A「地球の時代」
B「群馬の自然と環境」、 C「ダーウィンの部屋」、D「自然界に
おけるヒト」、 E「かけがえのない地球、であった。 でも、
「導入」、A「地球の時代」がある。
20190806arariirika011.JPG

箕輪初心:生方▲『群馬県立自然史博物館』10-①「群馬県の新種
のイルカの化石」
https://ubu3blog.at.webry.info/201907/article_18.html

箕輪初心:生方▲『群馬県立自然史博物館』10-②H/Tさんの解説
「地球の時代」前編
https://ubu3blog.at.webry.info/201907/article_19.html

箕輪初心:生方▲『群馬県立自然史博物館』10-③後編 「動く恐竜(含動画)」
等の博物館の魅力
https://ubu3blog.at.webry.info/201907/article_21.html

箕輪初心:生方▲『群馬県立自然史博物館』10-④『ほ乳類の時代
と群馬の化石・自然』
https://ubu3blog.at.webry.info/201907/article_22.html

箕輪初心:生方▲『群馬県立自然史博物館』10-⑤企画展
「同居いきもの図鑑」の社会的価値
https://ubu3blog.at.webry.info/201907/article_25.html

●令和元年(2019)
①7月12日、『群馬県立自然史博物館』で□年
ぶりであったお嬢さんはTさんであった。Tさんの案内は楽しかった。
磯部温泉「かんぽの湯」にはいった。
②7月14日、Tさんは忙しくて、「A「地球の時代」を復習をし、
15分で企画展を見た。磯部温泉「恵みの湯」にはいった。
③7月18日、B「群馬の自然と環境」、最大の目的は「尾瀬」で
ある。Tさんは忙しかった。Oさんに群馬の恐竜化石とKさん
「尾瀬」を教わった。磯部温泉「恵みの湯」に入った。
○『博物館の減少と群馬県立自然史博物館の表現の工夫・評価』
をテーマにレポートを書くことにした。
○7月23日尾瀬の大江湿原「尾瀬のジオラマが正しいか確かめ
 るために、・・・」に行った。41種が花があった。
④7月25日、Tさんは忙しくて、木村先生が少し教えてくださ
 った。でも、新発見のイルカでなく、尾瀬を質問した。
○7月25日、レポート提出(A4で10枚)。
⑤7月28日、小野先生に「博物館の社会的価値」をお聞きした
 ところ、「経済的価値には関与していない。Hpの「本報」を開く
 と、「評価が分かる。」と教えていただいた。小野先生、ありがとう
 ございました。
○7月31日レポート再提出(A4で21枚) 

 「博物館における展示の工夫と課題」
~『群馬県立自然史博物館』の展示表現の工夫と価値に着目して~
   
はじめに
第1章『群馬県立自然史博物館』の歴史と理念(ビジョン)
第2章 文化的価値の展示内容と表現の工夫
第3章『群馬県立自然史博物館』の組織ごとの活動
第4章 筆者から見た3つ価値
第5章『群馬県立自然史博物館』の職員の評価
おわりに


はじめに
後藤和子著「ミュージアムの文化経済学」『文化経済学』では、
「平成 23 年度(2012)にピークを迎えたが、平成27年度(2015)
の博物館の減少の原因について、国公立や私立の財政悪化、博
物館の老朽化、限られた資源による展示物で来館者の離脱となっ
た。」としている。では、公立・私立の生き残り作戦がどうして
いるのか、博物館の老朽化に伴う対策はどうしているのか、文化
的価値の資料をどういかしているのか、
 また、『文化経済戦略の意義と課題』・『進化を迫られる芸術文化
助成』・『ミュージアムの文化経済学』等の中で、価値や評価の問
題が取り上げられていた。博物館は文化的価値、経済的価値、社会
的価値を持っている。群馬県の公立・私立の博物館は文化的価値を
どう捉え、どのように展示表現の工夫をしているのであろうか。
価値の評価をどのようにしていて生かしていこうとしているのであ
ろうか等の疑問を持った。

第1節 博物館法による博物館の推移
 博物館には博物館法による博物館と私設博物館がある。
まず、博物館法による博物館を見ていく。
・昭和26年(1951)が博物館法が定められた。
 第1条は「博物館法は、社会教育法(昭和24年法律第207号)
の精神に基き、博物館の 設置及び運営に関して必要な事項を定め、
その健全な発達を図り、もって国民の教育と文化の発展に寄与する
ことを目的とする。」とある。
 したがって、社会教育の場としての博物館は博物館法によって定
められた施設である。博物館法では、以下の3項目に相当する。
①博物館:博物館法第2条に規定する施設。
②博物館相当施設:博物館法第29条に規定する施設。
①博物館類似施設:博物館法第2条・第29条の博物館・博物館相
当と同種の事業を行う施設のうち建物がおおよそ132平方m以上の
延面積を有する施設。
 博物館の種類は総合博物館、科学博物館、歴史博物館、美術博物
館、野外博物館、動物園、植物園、動植物園、水族館に分類されて
いる。博物館には、歴史、芸術、民族、産業、自然科学などの分野が
ある。「総合博物館」は人文科学と自然科学の両分野にまたがる展示
を行う博物館である。「専門博物館」として特定の分野に特化した
展示を行うが、「専門博物館」は歴史博物館、芸術博物館、産業博物
館、科学博物館・自然博物館などに分かれている。

 文部科学省の社会教育調査は3年に1度行われている。報告義務
者は以下である。
①国立及び独立行政法人立(国立大学法人及び大学共同利用機関
②法人を含む)の博物館 相当施設及び博物館類似施設の長
③都道府県立,市(区)町村立及び私立の博物館,博物館相当施
設及び博物館類似施設 (都道府県(市(区)町村)が設立団体
である地方独立行政法人が設置する博物館相当 施設及び博物館
類似施設を含む)の長となっている。
 
 1970 年代以降、博物館数が増加し始めた。1980年代から 博
物館はまちづくりや地域の活性化の一環として注目され、1980
年代後半、国民の文化・芸術への感心が急激に高まり、博物館
は増加してきた。
文部科学省の社会教育調査による最近の博物館の数は以下のよ
うである。
①平成20年度(2009) 全国の博物館数は4527 館となっている。
②平成 23 年度(2012)全国の博物館数は 5747 館となっている。
③平成27年度(2015)全国の博物館数は4310館となっている。
(文部科学省の年度別社会教育調査の博物館法による博物館数
 より引用)
但し、文化庁の博物館数は,平成27年10月現在で5690館であ
る。
 平成 23 年度(2012)にピークを迎えた。しかし。平成27年度
(2015)文部科学省の社会教育調査では、調査が始まって以来初め
て博物館数が減少した。平成 23 年度(2012)から平成27年度
(2015)の3年間で、約25%の減少である。1970 年代以降の
拡大がこの3年間で、飽和状態から縮小状態・減少状態へと変化
しているといえる。  
 また、博物館も制度上の変更が見られる。平成25年度(2013)
「博物館法」の改正により、第八条「望ましい基準」として、
公立だけでなく、私立の博物館にも「基本的運営方針」が適用さ
れた。平成29年度(2017)、文化芸術基本法が改正された。内閣官
房と文化庁の合同で「文化経済戦略」が出された。文化が最終投
資という考えから、「文化に投資することで、経済が発展し、文化
に再投資が行われる。」という考えである。
 現在、文部科学省の新しい時代の博物館制度の在り方について
(中間まとめ)では一部の公立博物館、国の博物館のような独立
行政法人化を指向する動きがある。 例えば、大阪歴史博物館、
市立美術館、東洋陶磁美術館、自然史博物館、市立科学館)及び
2021年度開館予定の大阪中之島美術館を一体運営する地方独立
行政法人を設立する方向で進んでいる。大阪城天守閣については、
大阪城公園の観光拠点化を推進するための施設であるが、文化的
価値、経済的価値(効果)を狙っている。また、公立でも、指定
管理者制度を導入している博物館がある。

第2節 群馬県の博物館法による博物館 
 群馬県では、平成27年度(2015)の群馬県の博物館数は都道府県
別で 33番目に多い69館となっている。平成30年度(2018)群馬県
生活文化スポーツ部文化振興課の発表では、77となっている。
歴史博物館では「群馬県立歴史博物館」や「かみつけの里博物館」
や「高崎市立歴史民俗資料館」や「みどり市立岩宿博物館」、
自然博物館では、「群馬県立自然史博物館」や「神流町恐竜セン
ター」や「みどり市大間々博物館(コノドント館)」、植物園では、
「高崎市立染料植物園」などがある。美術館では「群馬県立美術
館」「館林美術館」・「ハラ ミュージアム アーク」などがある。
しかし、群馬県の博物館では地方独立行政法人・指定管理者制度を
導入はない。公益財団法人として大川美術館(桐生市)がある。財団
法人「三國路 与謝野晶子紀行文学館」財団法人「相川考古館」が
ある。
博物館法による「登録博物館」である『高崎市美術館』・『高崎
市タワー美術館』は高崎駅から徒歩で数分のところにあり、県外か
らのアクセスも簡単である。しかし、群馬県の多くの公立博物館・
私設の博物館は地方に分散され、交通の不便な所にある。群馬県の
博物館の特徴として車でないと行きにくい場所に多くあり、電車利
用や定期バス利用もしにくい場所にある。群馬県警の集計によると
、「県民の運転免許保有率は2018年10月末時点で71.61%。1969年
から都道府県別で首位を守っている。男女別でも男性が77%で3位、
女性は66%で1位を占める。」とある。したがって、群馬県が車社
会であり、車で移動することには余り抵抗がない。しかし、県外か
らの客で、高崎駅・前橋駅など最寄りの駅からは殆どアクセスの悪
い場所にあることが多いのがデメリットにある。特に、群馬の森にあ
る『群馬県立博物館』・群馬県立近代美術館』も車でないと行くに
くい場所にある。恐竜関係の博物館は群馬県では平成29年(2017)
の県内集客数2番の『群馬県立自然史博物館』、「神流町恐竜セン
ター」や「みどり市大間々博物館(コノドント館)」も恐竜の発掘
場所に関係しているので、車でないと行くにくい場所である。
(※福井県は、「恐竜王国」であり、フクイラプトル、フクイサウ
ルスなど福井の名がつく恐竜が存在し、「福井県立恐竜博物館」で
展示されているが車でないと行きにくい場所である。)
 
 平成27年度(2015)文部科学省の社会教育調査でも、過去9年で
学芸員の数は2割以上も増加している。また、現実に、職員・説明
員も増加している博物館もある。群馬県の歳出が増えていることを
しめしている。公立の博物館は地方公共団体の歳出となる。これは、
税金による歳出である。
博物館の入場者数 (単位人) 博物館
年 H22 H23 H24 H25 H26H27 H29
自然史博物館
191,230
243,403
185,000
230,000
230,000
230,000

歴史博物館
82,512
76,554
110,000
64,000
39,000

79,200
近代美術館
128,853
111,931
90,000
100,000
125,000
115,000
館林美術館
41,096
39,328
39,000
40,000
39,000
39,000
土屋文明記念文学館 28,744 33,840 27,100 34,000 34,000 34,000
(各博物館の本報より筆者は図表化した。)
 『群馬県立歴史博物館』については、平成22年以前より、
平成26年に欠けて減少にした。そのため、『群馬県立歴史博物館』
中の展示を再構築することになった。平成28年(2016)7月23日
リニューアルオープンした。同時に特別収蔵品展 「綺羅美耀 ー
武士の時代の名宝ー」(第3回テーマ展示)を行った。第94回
企画展 「昭和なくらし、そしてスバル。」 第95回企画展
「織田信長と上野国」などの成果を出ている。展示内容の入れ
替えしたリニューアルは来館者が増加に繋がった。令和元年
(2019)の春の企画展『大新田展』は大好況だった。常設展での
文化的価値についても先人の工夫を展示している。社会的価値
として講座・小学生向けの体験学習などを工夫している。その
年度に限らず、長い期間、集客したいものである。企画展が重
要な位置を占めてくることも分かってきている。 
 
 『群馬県立歴史博物館』以外は県立の博物館は横ばい状態であ
る。しかし、入場客数の横ばい状態を保つことはかなり困難なこ
とである。群馬県の市町村立など博物館においては、入場者が少
なく、財政難の自治体の財政で賄われる率の高い博物館が多々ある。

第3節 群馬県の博物館法に属さない博物館 
 し博物館法の適用を受ける登録博物館は77館で、多くの博物
館とされる施設の中の一部を占めるにすぎない。次は博物館法に
よらない私設も博物館・一般財団の博物館についてである。群馬
県の私設の博物館には、私設の『伊香保おもちゃと人形 自動車
博物館』・『碓氷峠鉄道文化むら』(一般財団法人)・『竹久夢二伊
香保記念館』・『草津片岡鶴太郎美術館』・『関口コオ切り絵美術館』
などがある。
私設の博物館である『伊香保おもちゃと人形自動車博物館』
は平成6年(1994)に北群馬郡吉岡町にオープンした。黒字経営で
平成30年(2018)、40万人が訪れた群馬県№1に集客数を誇る私
立博物館である。昭和のレトロ感のある展示で家族3代で楽しめ
る博物館である。殆どはマイカーとバスの客である。
 一般財団法人「碓氷峠交流記念財団」の『碓氷峠鉄道文化むら』
は平成 12(2000)年度には18 万 5,420 人、平成 13(2001)年度
にも 18 万 9,236 人の入場者があった。平成28(2016)年度は13
万2800人で開園以来最少となった。収入は1億3500万円であった。
野外博物館では中之条町・中之条ビエンナーレ実行委員会 ・中
之条ビエンナーレ運営委員会は主催となり、後援、助成、協賛を
えて、「中之条ビエンナーレ2019」が「中之条伊勢町」「伊参」
「名久田」「四万」「沢渡暮坂」「六合」エリアで参加アーティスト
は150組で展開される。したがって、車の移動でないと困難である。
特に県外からは車でこなくてはならない。
 また、私設の博物館は公立の博物館に比べて入場料が高いのがデ
メリットとなっているのが現状である。博物館法によらない私立の
博物館は「営利性」を求めるため、入場料金が高いのが普通である。
例えば、竹久夢二の資料を集めた「竹久夢二伊香保記念館」は、大人
1600円+消費税(前売り券1400円税込み)、共通券は2000円+消
費税である。「伊香保おもちゃと人形自動車博物館」は大人 1,080円
(税込) 割引きticketもある。障害者は大人 860円となる。しかし、
公立の高崎市立『かみつけの里博物館』は大人200円である。『群馬
県立自然史博物館』は大人510円である。
   
   
第1章『群馬県立自然史博物館』の歴史と理念(ビジョン)
第1節 『群馬県立自然史博物館』の歴史と理念からの初期の展示
・昭和53年( 1978)7月16日、旧群馬県立博物館を改修し、前身
となる群馬県立自然科 学資料館が富岡市一の宮に開館した。
・昭和60年代に生物・地学系の団体や多くの県民から自然史系
 の博物館建設の要望が怒 った。富岡のカルチャーセンターの
 建設と相まって、富岡市上黒岩に建設の運びとなった。上黒岩
 は偶然、ヤベオオツノシカの発見された場所であった。多目的
 ホールの「かぶら文化ホール」を併設している。富岡市体育館
 と富岡市立美術博物館・福沢一郎記念 美術館も隣接して造ら
 れた。
・平成8年(1996)3月31日に富岡市一の宮の群馬県立自然科学資
 料館が廃止された.。
 4月1日に『群馬県立自然史博物館』が自然科学資料館の資料
 を引き継ぎ発足した。
 初代館長には古生物学者の長谷川善和(現名誉館長)が就任した。

『群馬県立自然史博物館』の目的は、博物館法第二条から「自然の
成り立ちや仕組み、自然界の構造、生命の進化について、展示や
観察会等の教育普 及活動、調査・研究を行っています。そして、
「人々が集い、学び、人間と自然が共存できる調和し た未来を
追求し、心豊かな暮らしを人々が協働で創造していく」「人々の、
人々による、人々のため の開かれた博物館」を目標に、自然史博
物館の理念(ビジョン)を「生きた自然史を探究・継承し、守り、
伝え、人を育てる」とした。
 群馬県立自然史博物館の理念(ビジョン)については、 自然史
博物館の開設時に示された建設の趣旨は、「来館者が参加体験をと
おして楽しみながら自 然を愛する心を育て、人と自然との関わり
を理解し自然に親しむきっかけとなる施設」でした。 また、博物
館の性格として、以下の5つが列挙されている。
1) 群馬の土地の生い立ちと自然を中心に世界的・日本的視野
 で自然をとらえた博物館であ り、人類の進化や環境に視点をあ
 てた展示を行う。
2) 質の高い内容をわかりやすく展示するために、特色ある実物
 資料・複製品・模型・映像 機器・コンピュータ等を駆使した展示
 を展開する。
3) 学校との連携を密にして児童・生徒の学習の場とするととも
 に、大人も楽しめる魅力的 な生涯学習の場とする。
4)自然との出会い・ふれあいを基本に、親しみのある参加・体験の
 できる博物館とする。
5) 群馬県の自然に関する中心的な施設として研究を推進し、県民
 や研究者等に各種の情報 を提供する。 しかしながら、これからの
 自然史博物館は、自然に触れ、探究心を高め、人間と自然の関わり
 を理解し、そのあり方を見つめ直す時期にきています。そのため、
 「人々が集い、学び、人間と自然が共存できる調和した未来を追
 究し、心豊かな暮らしを人々が協働で創造していく」「人々の、
 人々による、人々のための開かれた博物館」を目標に、自然史博物
 館の理念(ビジョン)を、「生きた自然史を探究・継承し、守り、
 伝え、人を育てる」とする。
 (『群馬県立自然史博物館』年報2017年より引用)
つまり、この5項目が評価の項目となり得る。
10月22日に開館した。

1)常設展示
「導入」
現代人から地球の誕生まで、約46億年を遡る形で立体模型が展示
してある。模

博物館の常設展示5コーナーは「実物中心型および体験コーナー
の展示をしている」
A地球の時代
 地球の誕生から現在に到る約46億年の大地の変遷の歴史過程と
 生命の誕生と環境的適 用と多様化の過程を、世界的、日本的
 (含群馬)規模で展示している。
B群馬の自然と環境
群馬の自然を平野部、中間部、山岳部に分け、動植物を紹介して
 いる。
Cダーウィンの部屋
生物の進化を中心にすえ、標本に触れ、音を聞く五感で体験す
 るコーナーである。
D自然界におけるヒト
 直立二足歩行、道具の製作、火の使用、埋葬(当博物館の特徴)
 などを、展示している。
Eかけがえのない地球
環境問題を紹介し、環境保護と人類の課題を考えるコーナー
 としている。

2)企画展示(春、夏、秋の年3回)
3)情報コーナー紹介
4)展示物解説コーナー
5)博物館のそのほかの活動
 企画展、自然史講座、ファミリー自然観察会、自然教室、天体
 観測会、博物館探検隊、自然史サマーキャンプなどの行事を行
 っている。
  (ニッセイ財団『総合案内』)


第2節 『群馬県立自然史博物館』の年度別の入館者数の推移
『群馬県立自然史博物館』の年度別の入館者数の推移は、次のとおりである。
(*入館者数は実観覧者数で教育普及事業等の参加人員は含んでいない。)
平成の年度 開館日数 入館者の人数
 8
132    120,712

301    207,688
 10
304    165,071
11
303     150,211
12
301     156,633   
 13
303    159,416  
14
301     166,989
15
298
 171,697
16
292     160,456  
17
292     153,613
18
293     166,629  
19
292      161,626  
20
291     146,170
21
290     162,760
22
288   
 148,697
23
291
 177,698
24
290
182,038
25
288
 166,533
26
289
 167,549
27
290
 188,680
28
289
 212,022
29287 209,136合計 6,305 3,702,024
 (『群馬県立自然史博物館』の平成29年度「年報」より
 筆者作成) 
『群馬県立自然史博物館』の入場者数は一端ピークを迎えたが、
減少傾向にあった。平成28年からは20万人越えとなった。

後藤和子著「ミュージアムの文化経済学」『文化経済学』では、
「平成27年度(2015)の博物館の減少の原因について、国公立
や私立の財政悪化、博物館の老朽化、限られた資源による展示物
 で来館者の離脱となった。」としている。
 現在、群馬県の多くの博物館では、収集物の陳列から展示を
見る。映像で見る。解説を聞くといった従来のアプローチに加え、
公立の「ハコ物行政」から限られた資源の有効活用、つまり、展
示内容の充実や表現の工夫、体感できる展示などアイデア、体験
学習などの増加が課題となっていく。企画展、スライドレクチャー、
ボランティアガイドの要請、講座も増やさざるを得ない状況になっ
てきている。
 また、博物館によっては、最新の測定法・学術研究で古代等の
遺物から新事実が解明されて展示内容を工夫すること、来館者が
ロボット操作の体験ができる博物館構想。コンピュータで作成し
たCGの画像・動画(プロジェクションマッピング)や人工的に
作られた空間で現実のような体験ができる技術群や機器(バーチ
ャルリアリティ)など新技術を利用した新しい展示方法が導入は
必要となってくる。また、文化的価値、経済的価値のほか、社会
的価値、つまり、大人も子供も一緒に楽しめる社会教育・生涯教
育のための博物館、つまり、社会的価値をもった博物館が要求さ
れる。
  
 本稿では平成29年(2017)の県内集客約21万人で集客数2番
の『群馬県立自然史博物館』の歴史と特徴について、どのような
展示と表現方法、取り組み方をしているか、文化的価値・経済的
価値・社会的価値の側面はどうなっているのか。特に「ミュージア
ムの現状や役割の変遷、経済学の視点からみたミュージアムの特性
を手がかりに、ミュージアムの社会的価値を明らかにし、ミュージ
アムのあり方を考える指針を目的とした。」(後藤和子著「ミュージ
アムの文化経済学」『文化経済学』)とあることから『群馬県立自
然史博物館』の社会的価値について考察していきたい。


第2章 文化的価値の展示内容と表現の工夫
 令和元年(2019)7月、筆者は『群馬県立自然史博物館』に5回行
った。7月の具体的な展示と表現方法・客を楽しませる工夫は以下
であった。

1)特別展「群馬のイルカ化石」の公開展示
 特別展示は令和元年(2019)6月29日から9月8日まで、常設展
入り口で公開されている。安中・富岡で発見された新種のイルカ類
の化石(学名ケントリオドン ナカジマイ)7点の公開をしてる。
また、発見者の名前・研究の経緯のパネル、足寄動物化石博物館の
新村龍也氏による生態復元画も展示された。時にはトピック展も開
催している。
企画展は春、夏、秋の年3回開催している

2)展示内容の充実・工夫…約46億年を時代順に展示してある。
例1、隕石・化石など具体物展示
例2、ジオラマ模型の工夫
例3、実験器具の展示
例4、解説板ボードの活字の工夫
例5、顕微鏡の設置
例6、壁面の展示の工夫

3)映像解説の工夫
例1、「地球の誕生と水ができるまで」
  例2、「ストロマトライトと生物の誕生」
   退廃物をの取り込む様子が分かる。
例3、「ゴンドワナ大陸の画像」
  画像は2億年前(三畳紀)の世界図ゴンドワナ大陸は南半球
  を中心に広がっていた。ゴンドワナ大陸はプレートテクトニ
  クスによって、ゴンドワナ大陸は、分裂を始め、中生代白亜
  紀末(6500万年前)にはアフリカから南米、南極、インド、
  オーストラリアの各プレートが離れたとされている様子を再
  現している。
  例4、「コロラドの発掘現場と再現復元図」
   画像を見ると、「80%の復元の意味」が分かる。コンピュ
   ータで作成したCGの画像・動画(プロジェクションマッ
   ピング)を有効に活用している。

3)解説員の充実と資質向上
非常勤嘱託職員である解説員8名が解説にあたる。30分の解
説のポイントの共通理 解し、博物館の展示物の特殊性を解説して
いる。解説員による常設展・企画展の解説練 習も自主的に行われ
ていて、質の高い解説をするように努力しているのが分かる。
 学芸員は企画展における自分のジャンルの時に解説をする。
  (★総務部職員へに聞き取り調査)
  『群馬県立自然史博物館』は『群馬県立歴史博物館』の解説員
に比べると、現場にいる解説員の人数が圧倒的に多く、解説が充
実している。

4)トリケラトプス発掘現場実寸再現ジオラマ「ボーンヘッド」
ガラス張りの下に、発掘当時の土・骨(Bone)をそのまま移動
して再現している。

5)動く恐竜が2体
 カマラサウルス(約5m)の複製とティランノサウルス(7~8m)
の複製の首が動き、2つが鳴き声をあげ、呼応すように動く。初めて
見た子ども達の殆どは「動いてる。」と感動する。3~5歳児はびっ
くりして泣くこともあるので、子どもに合わせた動きと音量にして
いる。 

6)全てが実物大の骨格標本
 例1、ブラキオサウルスの実物大の骨格標本(体長約30mで
   高さ約15m?)
例2、アメリカのマンモスの実物大の骨格標本(体長約5m、
  高さ約3m)
シベリアの毛皮のマンモスでなく、ちがうタイプのマンモスを
 表示している。

7)群馬県の中生代・新生代の化石展示
例えば、吉井で発掘されたパレオパラドキシアで群馬県人にとって
身近な所に恐竜がいたことを表現している。

8)群馬の自然と関わりの展示(Bコーナー)
①群馬の自然を平野部、中間部、山岳部に分け、動植物を
    紹介している。
②群馬の特徴のある山と動植物を紹介している。
 日光白根山、谷川連峰、草津白根山、浅間山、赤城山、榛名山、
  妙義山
 ③尾瀬のコーナーでは四季の様子をシアターで分かり易く解説
   している。3面マジックビジョンを用いて、至仏山の神、妖
  精たちが解説しなから、春夏秋冬の自然の素晴らしさを体感で
  きるように工夫してある。
  植物のジオラマも展示している。
④様々な種類の鳥やカエルの鳴き声が聞けるのも体験型である。

9)Cダーウィンの部屋の工夫
ターウィンの音声も日本語で解説が入れてある。 生物の進化を中心
 にすえ、標本に触れ、音を聞く五感で体験するコーナーである。
 標本類が充実している。動物の本物の剥製が多い。

10)D自然界におけるヒト
 直立二足歩行、道具の製作、火の使用などを、展示している。
当博物館の特徴「埋葬」を紹介している。頭蓋骨の模型も展
 示され、能の大きさも表示されている。

11)Eかけがえのない地球
環境問題を紹介し、環境保護と人類の課題を考えるコーナーとし
 ている。学習することによって、環境を自分も問題として考える
 ことを意図していると思われる。社会的価値を見いだせるコーナ
 ーである。

12)企画展のユニークさ、
春、夏、秋の年3回、企画展を開催している。多くの来客に
自然に興味関心を持ってもらうテーマを設定している。常設展で
展示していない資料を含めて展示している。社会的価値も高い設
定も多く見られる。具体例は別の章4で説明する。

13)学校との連携
学校教育の一環としてのプログラムは自然への興味感心をそそ
る企画で、生涯学習の観点からも友好的である。社会的価値も高い。

14)生涯学習への効果
地域・群馬県民などに貢献する講座・ファミリー自然観察会・自
然教室・天体観察会・サマーキャンプなどの企画されている。
社会的価値も高い。


第3章『群馬県立自然史博物館』の組織ごとの活動
第1節 組織
①職員職員は名誉館長も含め、18名(2019年新組織)
(『群馬県立自然史博物館』入り口の職員コーナーの表示より)
②非常勤嘱託の解説員
③派遣社員がいる。
 (『総務部の方の話』)

『群馬県立自然史博物館』における活動について、組織を見る
 ことにする。
 名誉館長 館長
次長 補佐 次長
  (総務課長)(教育普及課長)( 地学研究係長) 生物研究係長

総務部 教育普及係 地学研究係 生物研究係

第2節 活動内容
①総務部
  博物館の運営管理
  予算の経理等会計事務
  服務給与福利厚生
  学芸に関すること
②教育普及係
 講演会、観察会
  広報
  学校との連携
  展示解説
  ボランティア育成
③地学研究係・生物研究係
  博物館資料の収集
  博物館資料の保存管理
  企画展の実施
  常設展の管理運営
  自然に関する調査研究
(『群馬県立自然史博物館』Hpより)

博物館法第2条には定義と活動内容が明記されている。
①資料の収集、②資料の保管(育成)、③資料の展示、
④利用者への教育普及活動、⑤資料の調査研究である。

第3節 3の係の具体的な活動内容
1)地学研究係・生物研究係
『群馬県立自然史博物館』における①資料の収集、②資料の
保管(育成)、③資料の展示、⑤資料の調査研究は地学研究係・
生物研究係が担当することになる。
 地学研究係・生物研究係では、①「資料の収集」、②「資料の
保管(育成)」、③「資料の展示」などがバックヤードの仕事が
中心である。④利用者への教育普及活動についても関わらない
わけではない。現に昆虫の専門家が企画展に出ていた。
 ①の資料の収集については、新しく論文を意識し、常設展示に
繁栄させることが情報を得なくてはならない。新しく発見された
化石の情報と収集、生物の属・科に変更情報・学説に着目しなけ
ればならない。そして、資料の保管し、資料を変更し、資料の展示
しなくてはならない。
 例えば、「尾瀬」コーナーでは、昨年7月の調査を踏まえて「7
月中旬の尾瀬の花のジオラマ」を展示している。筆者は実際に令和
元年(2019)7月23日に尾瀬に行き、展示内容が正しいか植物名を
調査した。大清水・一ノ瀬から尾瀬沼の花の咲いていた植物は41
種であった。花の咲いているレンゲツツジ個体数10であり、殆ど
が枯れていて、花びらは落ちていた。ミツガシワは1個体の花しか
見られなかった。既に秋の花であるカラマツソウが咲いていた。
7月尾瀬は長雨にたたられ、冷気候で例年と花の咲き方が異なって
いた。したがって、年によって、咲く花の状況も変わってくるので、
博物館は最新情報が必要となる。枯れそうであれば、枯れそうなジ
オラマにする必要があると思われる。
 ②資料の保管(育成)観点からも注意点は必要になる。
 『自然史博物館』は展示物以外にも企画展で使用した資料を保管す
る倉庫が必要になる。
 企画展が90回になるが、使った資料はしまっておくはずである。
毎回、資料数が増えることになる。おそらく、倉庫も満杯であろう。
学芸員・解説員は企画展の前に倉庫から出す物もあろう。倉庫への出
し入れ・設置には危険がどもなうことがある。
 例えば、「育成」という観点から、生きている魚の世話も仕事とな
る。具体的には『自然史博物館』には「イワナとヤマメの水槽」があ
るが、令和元年7月、現実にヤマメは一匹もいなかった。イワナの方
が強く逞しいので、ヤマメがイワナに食われてしまったのである。
飼育には配慮しなくてはならない。
 また、見所に一つである動く恐竜・鳴く恐竜の正常に動くことなと
も監視しなくてはならない。このような常設展の管理運営にも当たる
部署である。

⑤資料の調査研究と③資料の展示
例えば、令和元年(2019)3月20日、群馬県で発見された1150万
年前のイルカ類化石が「新種のKentriodon nakajimaiに認定」さ
れた。未知のイルカ類進化の一端が明らかになった。
木村敏之主幹(生物研究係長・学芸員)・長谷川善和名誉館長に
よる研究の結果、これらの標本が新種のイルカ類であることが判
明し、アメリカの古脊椎動物学会(Society of Vertebrate Paleonto
logy)が発行する学術誌Journal of Vertebrate Paleontologyに新種
記載論文が掲載された
(平成31年2月27日オンライン版出版)。
 学名は、Kentriodon nakajimai(ケントリオドン ナカジマイ)
と命名された。今回の標本は、Kentriodon属の新種としては世界で
8例目、日本産としては2例目となった。群馬県の海棲哺乳類化石
としては、平成22年に報告されたジョウモウクジラに続く新種の
クジラ・イルカ類の化石である。
(『群馬県立自然史博物館』の展示)
ほかにも数々の学術論文を出している。

2)教育普及係
 教育普及係は理科教育学の担当で公立学校の教員が期間限定で
職員になることもある。
 教育普及係は博物館法第2条でいう④「教育の普及」に当たる。
「組織図」では、「講演会、観察会、広報、学校との連携、展示
解説、ボランティア育成」と内容としている。
 ニッセイ『総合案内』では「博物館のそのほかの活動として、
企画展、自然史講座、ファミリー自然観察会、自然教室、天体
観測会、博物館探検隊、自然史サマーキャンプなどの行事を行
っている。」とある。
 講演会は大人向けの自然史講座である。観察会は体験型プログ
ラムであり、大人の自然史倶楽部、ファミリー自然観察会自然教
室、天体観測会、博物館探検隊、自然史サマーキャンプ、バック
ヤードツアーなどに当たる。
広報活動は、ポスター造り、館内のパンフレットつくりなどで
ある。
 学校との連携については、小中学校の体験型のプログラムを組ん
でいる。

 先述の通り、展示解説の解説員は8名いる。常設展の5コーナー
に解説集合場所を儲けて、解説をしている。常設展・企画展ともに、
解説員は解説のレベルアップを図っている。 また、平成28年
(2016)より下仁田ジオパークと群馬県立自然史博物館の連携を図
っている。
 ボランティア育成では高校生の職場体験学習、ボランティア体
験学習の受け入れをしている。
 群馬県立自然史博物館は来館者の多い土日・休日や夏休みなどに
は、各係が連携を図っている。

3)総務部
 仕事は「博物館の運営管理、予算の経理等会計事務、服務給与福
利厚生、学芸に関すること」となっている。現在、一般 510円
(410円) 、大学・高専・高校生 300円(240円) 、中学生以
下は無料である。(括弧内は20名以上の団体)となっている。
 総務部の正式職員3人うちの誰かは夕方に入場用自動販売機を
あけ、集まった札・コインをを群馬県庁宛に振り込んでいる。
総務部の方の話では「入場料・冊子の料金は博物館の私的財産に
ならない。冊子は県の決められた企画展のための歳入費の一部と
して、組み入れられている。経済的価値にも関与していない。」
とのことだった。非営利性を貫いていることが確認できた。
経済的価値については意識していないことが明確になった。
 
『群馬県立自然史博物館』の具体的は平成29年度の歳入歳出
決算の状況は以下のようである
歳入  区分金額 単位(千円) 内 容博物館入館料
54,661

観覧施設使用料
    497
ミュージアムショップ他
財産収入
     514
自動販売機設置収入 雑入   4,438
 船の科学館助成金 3,000 円
含計 60,110
 歳出事業名 金額 単位(千円)   内 容館運営
  156,769
 館の維持管理、事業運営等
博物展示
   66,819
 常設展示メンテナンス、企画展
教育普及活動
     5,438
 観察会等教育普及事業
調査研究    10,343 フィールド調査、学会参加
計 239,369
(『群馬県立自然史博物館』の平成29年度「年報」より筆者作成) 

 歳入が博物館入場料と図書・グッズなどの販売収入等である。
観覧施設使用料としてミュージアムショップがある。外部から
の店であるが、借用費として、約50万円を群馬県に出してい
る。関係する本・恐竜のぬいぐるみ・ペンダント・文房具類
・化石類等があり、子どもにも大人にも非常に人気がある。
博物館の経済効果の一翼を担っている。歳出は人件費(服務
給与福利厚生)、管理費、事業費、博物館所蔵取得費、施設
整備費、博物館のための基金等であろう。約18億円の赤字
であるが、総務部の方の話では「実質的には群馬県が運営し、
群馬県からの維持助成金などで歳出が賄われていると考えら
れる。」とのことであった。
 現実には、来場者からすると、公立の『群馬県立自然史博
物館』の入館料は私立の博物館に比べ、大人510円・中学生
以下無料となので、家族連れにも非常に来やすいのが実態で
ある。また、企画展の冊子は企画展で発表したここと内容を
取り上げているので、内容が濃い上に分かり易く、復習でき
る内容になっている。価格も500円~600円と同じ暑さの本
より安価なので入手しやすい。売り上げを増やす要因の一つ
になっている。 
 しかし、令和元年(2019)7月21日、群馬県知事は文化・
文化財に着目した大澤知事から山本知事に代わったことで、
博物館への保護・活性化・歳入支援は不明となった。 

第4章 筆者から見た3つ価値
 博物館には、3つの価値、つまり、文化的価値、経済的価値、
社会的価値である。
1)『群馬県立自然史博物館』の文化的価値
  詳しくは第2章「文化的価値の展示内容と表現の工夫」の
ところで書いているが、補足する。
 展示は世界・日本に関連する文化的価値のある標本やジオラ
マを展示し、視覚に訴える 方法を採っている。群馬について
も自然や環境について展示方法を工夫している。
 『群馬県立自然史博物館』は新生代の「ヤベオオツノシカ」
の発見された場所に建てら れている。群馬県西毛地区南西部
の下仁田町から高崎市までの鏑 (かぶら)川流域や 碓氷
(うすい)川流域には、新生代第三紀の中新世とよばれる時
代(今から約500万年 ら2400 万年前)の地層が広がってい
て、地層 から、当時の海、海の近くにすんで いた生きもの
の化石が採集されている。 吉井の「パレオパラドキシアの骨
の化石」、「カ ルカロドン・メガロドンの化石」、1100万年前
の地層から発見された新種のヒゲクジラ の「ジョウモウケタ
スクジラ・シミズアオイの化石」、同じく、令和元年(2019)に
認定となった新種のイルカ類の「ケントリオドン ナカジマイ
の化石」などである。世界トップレベルの学術研究を行われて
いる。文化的価値を高めている。 しかし、評価については、
殆どアンケートをしないので、入場数で評価することになる。 
 学芸員の話では「年に1度(9月頃)学芸員の自己評価を持
ち寄り相互評価として、理念・指標を1つの評価としてまとめ
ることにしている。」とのことだった。

2)『群馬県立自然史博物館』の経済的価値
 経済的価値は公的な博物館なので、私立博物館に比べると、入場
料や冊子の価格が安い。総務部の『群馬県立自然史博物館』の経
済的価値は入場料や冊子による私的財産とならない。入場料が
金額を前年度比で比較することになる。冊子は歳入の「枠内
に組み入れられているので、販売状況で判断・評価できる。
基本的には博物館の評価は、博物館と来客者の交換がその対
象になっている。 
 『群馬県立自然史博物館』は多目的ホールの「かぶら文化ホ
ール」を併設している。富岡市体育館と富岡市立美術博物館・
福沢一郎記念美術館も隣接して造られている。約2km離れた
所には「世界遺産『富岡製糸場』」がある。実際に『群馬県立
自然史博物館』が『群馬サファリ』や『富岡市立美術館・福沢
一郎記念館』との割引き券でコラボレーションしている。群馬
県人の中には『富岡製糸場』と『群馬県立自然史博物館』の入
館の組み合わせでくる客もいる。
「世界遺産『富岡製糸場』の入場客数の推移は以下のようであ
る。
年度 入場者数 内 容H18年度
112,988
 ユネスコ世界遺産暫定リスト記載
H19年度
249,334
から有料化
H25年度
314,516
イコモス現地調査
H26年度
1,337,720
イコモス勧告、6月世界文化遺産登録、12月国宝指定、
H27年度
1,144,706
 H27年4月~H28年2月水曜日を休場
H28年度
800,230
H29年度
637,288
H30年度 519,070 『群馬県立自然史博物館』の入場者数の
約2.5倍の入場数であるが、平成29年度・30年度は
『富岡製糸場』入場者数は全盛期の半分程度に落ち込んで
いる。ゆゆしき問題である。
 新しい評価の考えとして、博物館をコアとして来客者・地域
住民の経済的な効果を狙いとする経済的価値という考え方もあ
る。『群馬県立自然史博物館』だけという評価ができないが、
互いに経済的な効果を及ぼしていると思われる。また、富岡市
には飲食店も多く、バイパスなどには博物館が大型店舗ができ、
地域の経済的な効果を生み出していると言える。文化政策の文
化的資源を活用した地域づくりを目指す都市論も起こっている。
 また、現在、上信電鉄富岡駅からタクシー15分・乗り合い
タクシー黒岩線「総合公園」
もある。富岡ICから『群馬県立自然史博物館』へは約7kmで
ある。西毛広域幹線道路は群馬県前橋市千代田町2丁目から高
崎市北部・安中市役所脇を経由し、富岡市富岡・富岡ICを結
ぶ道路である。現在は部分的に開通している。西毛広域幹線道
路が全通すると、富岡上高尾から、『群馬県立自然史博物館』
へは2~3kmの場所となる。何れにしても県外からはマイ
カー・バスツアーでないと来にくい場所にあるが、将来的に
群馬県内の道路の交通事情が良くなれば、博物館にも良い影
響が多少期待できる。

3)『群馬県立自然史博物館』の社会的価値
 『群馬県立自然史博物館』のE展示「かけがえのない地球」
では環境問題・環境保護と人類の課題を考えるコーナーとし
ている。学習することによって、環境を自分も問題として
考えることを意図している。
 企画展は社会的価値を見いだせるコーナーである。
また、企画展のように、「人間にとって危険生物と対処・対応
のしかたまで考えるきっかけを作る企画の社会的価値は大きい。
令和元年(2019)の夏企画は第60回企画展「同居いきもの図鑑 」
で、普通の人は嫌いで見たくないいきもので家にすみついてい
るいきもの:ネズミ、勝手に入ってくる虫:ゴキブリやシラミ、
ネズミのよって運ばれるダニ、50年程前まで、人間に寄生し
ていた寄生虫:8mのサナダムシなどのいきものたちを紹介し
ている。また、身近に意外といる動物も自然に親しみを持つよう
に設定されている。
 「ゴキブリとさようなら」と題し対処方法を展示、スズメバチ
によるアナキラフィー「アナキラフィーで死亡者は日本で1年間
で30人」と対処法、ネズミ対策として入り口の遮断・蒲団注意
・台所の皿に新聞紙を使用禁止の対処法、寄生虫対策として、
生水禁止(特に海外)・生野菜は洗って食べる対処法。サバ・サ
ケ・イカなどに寄生(約2cm)のアニサキスに対する注意事項、
カビ対策は50%の湿度を保つ等の注意喚起等、危険生物のリス
クからの回避を促すこと知的生活の助けとなることを目的をして
いる。つまり、社会的価値を持つ企画である。展示は来客者の身
近な生き物の知的好奇心とそそる展示であると同時に、「社会的
価値」意識した展示・冊子になっている。
 また、子ども達にとって、常設展・企画展ともに夏休みの自由
課題のテーマにもなりやすい要素を持っている。親子で課題を解
決する貴重な機会を提供する可能性も多い。
 しかし、Eコーナー・企画展での社会的価値のアンケートは
採っていないので、社会的価値の具体的に社会に貢献している
という評価は難しいと思われる。

 
第5章『群馬県立自然史博物館』職員の評価
『群馬県立自然史博物館』では3つの価値、文化的価値、経済的
価値、社会的価値についての評価は来館者からのアンケート・聞
き取りには殆ど取り組んでいない。評価は博物館職員10人によ
る7項目の判断・評価による。
『群馬県立自然史博物館』における「本報平成29年度の評価」
について、ホームページで紹介している。
(1) 入館者数の状況
 平成28年度の企画展は夏、秋を通じて開館20周年記念
「超肉食恐竜T.rex」を開催した。7月16日から10月27
日まで の会期の入館者数は117,451人と好評を博した。
 平成29年度の入館者数は 209,136 人(前年比 98.67%)
で、前年度に比べ 2,886 人減 少した。これは、開館以来の
年間入館者数でみると、平成28年度の 212,022 人に次いで
過去 2 番目に多い入館者数であった。 
企画展ごとの状況をみると、
①3月から5月に開催した「尾瀬を科学する」 が 34,914 人、
「尾瀬を科学する」では第三次学術調査以降の研究成果を紹
介し、尾瀬に関する一歩進んだ知識を提供するとともに、
平成29年度から始まる第四次尾瀬総合学術調査についても
実施内容と必要性を紹介し、学術調査が保全の基礎となるこ
とをPRした。
②7月から9月に開催した「アマゾンはいま」が 70,417 人、
③10月から112月の「ぐんまの景観がこんなにも素晴らし
い5つの理由」が 36,233 人、④1~2月に開催した特別展
「ぐんまの自然の『いま』を伝える」
 地域に根ざした団体等の研究活動成果の発表を行い、来館
者に好評を博した。期間中、1日平均 377 人の入館者があ
り、学校団体等の減少する冬場の誘客にも貢献した。今後も
魅力的な企画展示は引き続き行うとともに、工夫を凝らした
教育普及事業や解説員によるわかりやすい展示解説など、平素
の活動にも一層力点を置き、博物館の役割果たしていく考えで
ある。
『群馬県立自然史博物館』では、企画展の期間中の入館者
数から、あるいは年間を通した入館者数から特に企画展の評価
をしている。

(2)博物館評価の実施
平成23年度に策定した「活動目標の評価指標表(評価指標)」
を用いた6回目:平成29年度の10名の職員による博物館活
動の自己評価内部評価である。自己評価結果は
①資料の収集・保存と活用 (「未来に伝える博物館」)
採集・寄贈等により収集した資料の合計点数は、目標値6000点
を432点上回る6432点であった。追加される資料数はESCO
事業導入後、収蔵庫の温湿度は新たな空調機器により管理され
ている。適切な運用を継続したい。収蔵スペースの不足は以前
から深刻な問題となっており、第一収蔵庫・第二収蔵庫ともに
慢性的かつ深刻な課題は解消できていない。資料がオーバーフ
ローしている非常事態が通常となっているので資料活用時の作
業には通路の標本を移動させたのち、空けた隙間で資料を運搬
する。現状の作業は資料を破損させる危険性が常に伴い、通常
時より多大な時間と労力、及び繊細な作業が求められている。
収蔵資料は今後も増え続けるため、資料の保管場所については
検討を続けていきたい。 展示での公開やレファレンスによる
資料活用は、年度目標をほぼ達成しているがより効果的な活用
を模索していきたい。

④調査研究 (「魅力を引き出す博物館」) 調査研究の推進では、
平成28年度は3年計画で行われる奥多野及び周辺地域総合学術
調査の最終年度(3年度)で、延べ36回の現地調査を行った。
調査成果は、平成29年に調査報告書としてまとめ、ホームペ
ージ上で公表する予定である。また、各職員が独自に行って
いる調査研究は10分野21研究、外部研究施設等と連携して
いる調査研究は平 成27年度並の40研究となった。研究成果
の公表では、発表論文数15、学会等発表数 12、雑誌等への発
表27(前年度11)であった。平成28年度には館の研究を紹
介するも のなど、雑誌のシリーズ連載が2件あり、これが
大幅な雑誌での発表の増加につながったと考えられる。外部連
携・招聘による講演会講座等数は15件で、例年20件前後で
推移している。市民参加型調査や市民連携の調査は3件で、
平成27年度より1件減少し た。博物館の調査研究全体とし
て外部機関や研究者との連携による研究への方向性が強くな
ってきている。一方で市民との連携による研究体制の強化が
課題と思われる。 研究成果を著書や講演会などを通して公
表に努めており、また、雑誌やマスコミを 利用した研究内
容の紹介と、博物館における研究の意義を伝えていく姿勢
がコンスタ ントな発表活動数にあらわれていると考えられ
る。今後とも成果を出し、その公表を 継続するためには、
研究環境と体制を維持し、現行の研究レベルを質と量 とも
に維持する必要があると思われる。

③展示 (「知を広め、高める博物館」)
観覧者数は212,022人で平成27年度の188,680人を大きく上
回り過去最多を記録した。観覧者増に伴い展示室内での定時
解説及び随時解説が増加した。目標値を達成することができ
た。常設展示では28件の資料追加・更新及び機器の更新を
実施した。展示全体(A~Eコーナー)のパネルは経年およ
び来館者の手に触れるため劣化が著しく展示に耐えられない
ものがある。また学説が新しくなり提供している情報が誤りに
なっているところもある。45カ所の展示パネルの修正・作
製を実施した。さらに誘導サイン、解説スタンド、アクリル
スタンドを増設した。Bコーナーの鳥 類剥製についてはア
オゲラなど23点を更新した。開館以来、大きな更新はなく
老朽化 が否めず、展示物が壊されること等もあることから、
故障が頻発している。故障時の 職員による対応は年間229
件で、速やかに対処できる体勢が維持できている。企画展は
常設展にはないテーマを選定し、夏、秋、春の年3回、冬に
は特別展を開催している。
 予算は減少傾向にあるが、映像撮影・編集、造作物等は可
能な限り学芸職員が製作しており、クオリティも向上してき
ている。冬の特別展はほとんどが担当職員による手作りである。
今後さらにリピーターの方々がまた足を運んでもらえるよう
な魅力ある展示と展示方法の工夫を積み重ねていくことが肝
要であり、その努力を継続していきたい。

⑤教育普及 (「知を広め、高める博物館」-わくわく・ドキ
ドキ・新発見-)
 学びの魅力を感じられる事業の推進では、平成27年度を10
%以上上回る結果となった。また、事後アンケートでの満足度
も高い。博物館について知ってもらったり、理解を深めてもら
ったりすることを目的として実施した移動博物館や博物館の展
示について解説を行う展示解説員 の定時解説や随時解説に対
する熱心な取組などが参加者増につながったと考える。また、
土曜日と日曜日に開催しているビデオ上映に関しては、参加者
が前年に比べ倍増した。学校教育支援の推進では、平成27年
度から2年連続して館内授業の参加者が増加した。県内小中学
校の下見対応、県外小中学校の実地踏査において、館内授業の
魅力を伝える努力をしたことが成果につながったと考える。
今後は、館内授業の提供のしかた及び内容等を工夫することで、
多くの学校が利用しやすい館内授業をめざしていき たい。
ボランティア活動の登録者数は、登録者の高齢化が進み、平成
27年度に比べ15%減 少している。一方、友の会活動の会員
数は平成27年度に比べ20%増加している。友の会行事や研修
の質と量が充実していることの成果が現れている。

⑤情報の発信と公開 (「知を広め、高める博物館」)
企画展や普及イベントなどの情報発信としては、新聞やラジオ
・テレビなど様々なメディアを活用し行った。また、ホーム
ページの更新やフェイスブックでの情報発信なども積極的に
行い常に最新の情報を提供するよう心掛けた。ホームページ
での新着情報では、イベントに対し事前には募集を兼ねた情
報提供を行い、事後には活動内容報告をしている。ホームペ
ージのアクセス数は41131件(29年1月~3月)である。
企画展毎のポスターやチラシを作成し企画展を周知するとと
もに図録を発行した。さらにイベントカレンダー(上期・下期)
やデメテールを3回発刊した。県広報を介した発信は58件、
館からの発信が101件であった。また、年3回の移動博物館
や他館連携出前教室等も博物館の情報を公開する効果的な場
として行っている。

⑥シンクタンクとしての社会貢献 (「知を広め、高める博物館」)
公共の博物館として、様々な資源(資料、情報及び職員の専
門性)を活用し、自治体や各種団体への専門知識の提供や講師
の派遣など、シンクタンクとしての機能を充実させ社会貢献を
果たすことは博物館の重要な使命の一つである。学校・主任会
などへの講師派遣件数は、目標値20件に対して36件、学会
・研究会に おける役員・委員等の受諾件数は、目標値5件に
対して12件であった。学校や主任会への講師派遣は、博物
館の専門性を広められ、学会・研究会への寄与は専門性を高
めることができるので引き続き推進していきたい。一方、大
学教育への寄与で、博物館実 習等を行っているが、博物館や
大学での講義や実習は目標値10回/年に対して、5回であっ
た。専門知識を必要としている大学や大学生に対して、より
多くの講義や実習を行うことで専門知識を提供し、大学教育
へ寄与していきたい。また、博物館施設等への助言件数は、
目標値10件/年に対して19件であった。今後 もさらに博
物館施設等との連携強化・推進をすすめたい。レファレンス
利用者の件数も229件と平成27年度の204件よりも大幅に
増加、目標値200件にも達することができた。引き続き専門
性を求めるニーズを増やし、対応を強化していきたい。

⑦マネージメント (経営)
平成28年度は開館20周年を迎え、これからの10年の館運営
の基本的な考え方や理念や使命、機能、事業活動方針と事業
展開方向などを盛り込んだ基本構想「自然史博物館のこれか
らの10年」を策定し公表した。今後基本構想に則して事業
展開をすすめていく。 安全で利用しやすい博物館施設へ
の改善では、施設改修等は予算的な制約から進展が見込め
ない状況であるが、開館後20年が経ち、建物の老朽化・
陳腐化が見られるので入館者の安全対策の面からも必要に
より対応していきたい。 情報システム関連は、平成28年
10月から第4次情報システムを導入、稼働した。観覧者サ
ービスの点検と質的向上では、案内業務のクオリティチェ
ックと接遇研修 を継続することで、一定の水準の確保を図
っているが、引き続き更なる向上を目指したい。博物館認
知度の向上と利用者層の拡大では、平成28年度は入館者数、
観覧者数、観覧料が歴代1位となった。富岡製糸場の世界文
化遺産登録や周辺観光ポイントの増加など周辺環境が変化す
る中で、常に最適な活動を目指し業務の見直しを行っていか
なければならない。そして、最適な活動をしても相手に伝
わらなくてはならないので特 に重要な広報活動については、
より効果的に進めていく必要がある。職員の意識改革と資質
の向上では、研修会・学会等への参加が少ない状況にある。
予算上の制約に加え、職員の通常業務が忙しく参加が難しく
なっている面もあるが、博物館を一層魅力的なものにしてい
くためにも、職員には継続的なレベルアップが求められてお
り、積極的な取組を呼びかけていきたい。 博物館活動への
理解及び外部協力の確保は、平成28年度当初予算で平成27
年度を上回る予算を確保することができた。これは、開館20
周年記念展や情報システム更新予算を計上したことなどによる
ものである。また、平成28度は公益財団法人からの助成 を得
て磯のトランクキットを作成することができたが、平成29年
度も同様助成を得る予定であり、引き続き外部資金の導入に努
めていきたい。さらに、博物館の取組を継 続して発信し、企
業等からの支援増加を図っていきたい。防災意識の向上と危機
管理体制の強化では、危機管理マニュアルを改訂し2度の防災
訓練を行った。引き続き防災訓練を行うとともに、マニュアル
については、随時必要な見直しを行っていきたい。博物館評価シ
ステムの構築では、平成25年度から外部評価を導入し有識者か
ら意見 をいただきHPで公開している。いただいた意見を受け
止め、今後の博物館活動に生していきたい。

8)自己評価に対する3名の博物館専門委員の意見聴取
  群馬県立自然史博物館専門委員(平成28年度)
・株式会社丹青研究所文化空間情報部部長
・埼玉県立自然の博物館主任専門員兼学芸員
・上毛新聞社役員室長兼経営企画委員会事務局次長
(『群馬県立自然史博物館』の平成29年度の「年報」
 より抜粋・要約)

おわりに
『群馬県立自然史博物館』では、特に企画展の期間中の
入館者数から、あるいは年間を通した入館者数から評価をし
ている。
 また、博物館法における①資料の収集、②資料の保管
(育成)、③資料の展示、⑤資料の調査研究が記載されて
いる。法律に即して、『群馬県立自然史博物館』では10人
の職員で評価し、1つの報告書として公開している。また、
外部の有識者からの意見も聞いている。『自然史博物館』で
は、①資料の収集・保存と活用 (「未来に伝える博物館」)
⑥調査研究 (「魅力を引き出す博物館」)、③展示 (「知を
広め、高める博物館」)、④教育普及 (「知を広め、高め
る博物館」-わくわく・ドキドキ・新発見-)、⑤情報の
発信と公開 (「知を広め、高める博物館」)。⑥シンクタ
ンクとしての社会貢献 (「知を広め、高める博物館」)、
⑦マネージメント (経営)という観点から館内評価を
している。したがって。入場者数と⑦マネージメント
(経営)が総合的な評価という位置づけになっている。
『群馬県立自然史博物館』の文化的価値は、自然史博物館
で評価している①、②、③に相当する。実際に高く展示内
容の充実と表現方法のハイテク化などが見られる。経済的
価値としては、非営利性という観点から入場料と安く設定
・決められた財源の中での冊子の工夫が見られる。
 社会的価値:博物館では、⑥シンクタンクとしての社
会貢献 (「知を広め、高める博物館」)≫としても、環境問題
の考えるきっかけや再確認、企画展での生活との関わりを考
えた企画もある。『群馬県立自然史博物館』としては、今後
も「企画展」「同居のいきもの図鑑」のように社会的価値の
部分を強調している企画が望ましいと思われる。入場者にア
ンケートを採らないとすれば、おそらく、10人は解説員か
ら客の反応を聞いていると思われるが、実際の入場者に接し
ている解説員による文化的価値や表現の工夫・社会的価値等
の反応の状況を知ることも大切な評価に繋がる。
  各博物館でも、文化的価値、経済的価値(公立では評
価しにくい)、社会的価値は来場者数も一つの価値基準となる。
博物館の生き残り作戦・活性化に目標・指標をたて、3つの
価値を計画的に評価し、展示内容や表現方法を工夫していくこ
とが必要であると思われる。具体的には博物館の3つの価値か
ら、目標と価値基準の設定し、計画・資料集め・展示企画⇒資
料展示⇒3つの価値の基準に基づいた中間評価:4段階評価
(形成的評価⇒修正展示の見直し⇒資料展示)⇒3つ価値の
最終評価というサイクルが必要となる。しかし、評価基準の
設定に難しさがあるのが確かである。評価も線で結ぶ調査、
○などのチェックを入れる調査とし、集計が楽で、評価できる
方法を模索する方法が考えられる。
 また、地域住民の希望、例えば、体験型プログラムに参加し
た方に常設展・企画展のアンケート調査、あるいは聞き取り
調査から企画に生かし社会貢献に寄与していくことも集客数
の向上に繋がるので、今後の課題となると考える。
博物館の機能を発揮していくには、各博物館が個別の役割
や歴史文化資源を有することへの理解を促すだけでなく、地
域の多種多様な歴史文化的価値ある資源によって構成されて
いることをいろいろな場(常設展・企画展・特別展・トピック
ス等)やさまざまな機会(小中学生対象の学習イベント・親
子観察会等)で伝えることが可能になる。地域の記録と記憶
等知的財産を知ってもらうこと、体感してもらうことは地域
への愛着を育むうえで不可欠になる。それが社会的価値への
変換に繋がる。人口減少・少子高齢化化社会において、博物
館は施設の老朽化をはじめ、限られた資源による展示物で飽
きられて、客離れは問題になっている。また、地方自治体の
財政逼迫で改修工事、企画展の歳出が減少していることが
博物館の経営に支障をきたしている。また、さまざまな地域
社会の課題への対応が迫られる中で、社会的価値を持つ博物
館では、地域の将来の担い手の人材育成が必要になる。博物
館は次世代を含めた幅広い市民が地域環境を認識、保全継承
し、地域の担い手としての人材育成につながる。社会教育・
生涯教育の面からも博物館の文化的価値・経済的価値・社会
的価値の評価を絶えず継続して行っていくことが大切である
と考える。


この記事へのコメント